2026年9月01日
「背中がかゆくて、触るとブツブツしている」そんな状態が続いていませんか。背中はご自身では見えにくく、つい様子を見たまま時間が経ってしまう場所です。背中や胸に出るブツブツには、にきびとよく似た見た目でありながら、まったく別の病気が含まれています。原因が違えば、必要な薬も変わります。
この記事では、背中のブツブツにどのような病気があるのか、どう見分けるのか、そして受診の目安について順にご説明します。

背中のかゆいブツブツには原因がいくつもある
背中のブツブツを「背中にきび」だと思っている方は多いかもしれません。もちろん、背中ににきびができることも多くあります。
ですが、にきびとよく似た見た目で、原因がまったく異なる病気があります。
その代表が「マラセチア毛包炎」です。
マラセチア毛包炎とは
マラセチアは、皮膚にふだんからいる真菌(カビの仲間)です。脂を好む性質があり、増えすぎると皮膚に病変をつくることがあります。
| 特徴 | 内容 |
| 出やすい場所 | 胸、背中から肩 |
| 見た目 | 赤い盛り上がり、膿を持つブツブツ |
| にきびとの違い | 面皰(芯)を伴わない |
| かゆみ | 伴うことがある |
マラセチア毛包炎の治療法
治療は、抗真菌薬の外用が中心です。毎日の外用と、清潔を保つ、汗をかいたらタオルなどで拭くなどで、改善していきます。ただし、1~3カ月と治療が長期にわたることもあり、年単位で残る色素沈着を残す場合もあるため、早期の治療開始が必要です。広い範囲に及んでいたり、外用薬で改善を認めないなど重症な場合は、抗真菌薬の内服を検討します。
内服薬は、外用薬に比べて効果が高い治療ですが、アレルギーや肝機能の悪化などの副作用がでることもあるため、医師の定期的な診察と、副作用がでていないか確認のための定期的な採血が必要です。
診断
マラセチア毛包炎は、特徴的な見た目から視診で診断が可能です。マラセチアの検出には、ブツブツをつぶして中身を押し出し、特殊な染色を行ってから顕微鏡で観察する必要がありますが、検査に少し痛みを伴い、染色にも時間がかかるので、診断に苦慮する場合を除き、日常診断では行われません。
背中のかゆいブツブツ、考えられる原因一覧と見分け方
背中や胸に出るブツブツには、いくつかの病気が含まれます。
出方と特徴の比較
| 病名 | 出やすい場所 | 見た目 | かゆみ |
| マラセチア毛包炎 | 胸、背中から肩 | 赤い盛り上がり、膿疱 | 伴うことがある |
| 癜風(でんぷう) | 胸、背中から肩 | 淡い茶色や白色の斑が多発し、くっつく | 目立たない |
| 体部白癬(たむし) | 皮膚のあらゆる部位。足に水虫がある方は起こりやすい | 境目のはっきりした輪状の赤み、皮むけ | 強いことが多い |
| カンジダ性間擦疹 | 蒸れる部分、くびれ | 境目の明瞭な赤み、ただれ、小さな膿疱 | ー |
「輪の形」かどうかを見ています
体部白癬は、周りに広がるにつれて中心の炎症が落ち着くため、輪のような形になります。これを中心治癒傾向といいます。
一方、カンジダによるものにはこの傾向がなく、代わりに病変の周りに小さな飛び火のような発疹(衛星病巣)が出ることがあります。
ペットから感染することもあります
体部白癬の原因菌には、ネコやイヌにすむ種類があります。この場合、小さな水ぶくれをともなう発疹が多発することがあります。
かゆみへの応急対応(今すぐできること)
受診までの間も、悪化を防ぐためにできることがあります。

蒸れを残さない
| 場面 | 対応 |
| 汗をかいた後 | 早めにシャワーを浴びる |
| 室内 | 室温と湿度を調整する |
| 患部 | 清潔に保ち、乾かす |
| 衣類・寝具 | 覆いすぎず、通気をよくする |
患部を清潔に保ち乾燥させることは、回復を早め、再発を防ぐ効果も期待できるとされています。
こする刺激を避ける
| やらないこと | 理由 |
| ナイロンタオルでこする | 皮膚を傷める |
| 軽石などで削る | 機械的な刺激になる |
| かゆくても掻く | 悪化の原因になる |
かゆみが強いときは、保冷剤をタオルで包み、短時間あてる方法があります。
市販薬を続けない
原因によって、必要な薬は異なります。次の場合は、いったん使用を中止してください。
痒みがある場合に使うことが多い市販薬には、ステロイドが含まれていることがあります。真菌が原因であった場合、ステロイドの長期使用で症状が悪化します。
-
数日使っても改善しない
-
使ってから悪化した
-
何の薬か分からないまま使っている
いずれの場合も、一度ご相談ください。
病院に行く目安|何科を受診する?
背中のブツブツは、見た目だけでは原因を決められません。
こんなときは受診を
| 状態 | 目安 |
| 市販薬で改善しない | 数日使っても変わらない |
| かゆみが強い | 眠れない、集中できない |
| 膿や痛みがある | 押すと膿が出る |
| 広がっている | 数が増えてきた |
| 繰り返す | 治ってもまた出る |
皮膚科での診断
症状から診断し、必要な薬を処方します。
抗真菌薬の外用や内服に加え、痒みが強く眠れない、仕事や学業に集中できないなどの場合は、短期間痒み部分にピンポイントでステロイド外用薬を使用したり、抗ヒスタミン薬の内服でかゆみを和らげるなど、その方の症状に寄り添って、皮膚科医が適した治療をご指導します。
花小金井駅前スキンクリニックについて
花小金井駅前スキンクリニックは、西武新宿線・花小金井駅北口から徒歩1分の皮膚科・美容皮膚科クリニックです。
当院の特徴
-
女性医師在籍で、相談しやすい環境
-
顕微鏡の検査で正確に診断
-
症状に合わせた塗り薬・飲み薬の処方
-
お子様の診察にも対応
-
24時間WEB予約で待ち時間を短縮
こんな方はぜひご相談ください
-
市販のにきび薬を使っても背中のブツブツが治らない
-
かゆみが強く、眠れない・集中できない
-
治ってもまた繰り返す
-
自分では見えず、何が起きているか分からない
-
背中にしこりができて気になっている
よくあるご質問
外用薬では、1か月~3カ月で改善します。内服薬の方が比較的効果が早く2週間前後から改善を認めることが多いです。
再発することがあります。そもそも発症しやすい体質の方、仕事やスポーツなどで汗をかく機会が多い方、リュックを背負う・赤ちゃんを抱っこするなど背中や胸が蒸れやすい状況の方は、繰り返すことが多いので、後述の抗真菌薬配合のボディソープなどで予防をおすすめします。
ミコナゾール(抗真菌薬)を配合したシャンプーが医薬部外品として販売されています。予防や治療に効果が期待できるとされていますが、まずは診断を受けてからお使いください。
種類によっては肝機能への影響が出ることがあり、定期的な血液検査を行いながら使用します。飲み合わせに注意が必要な薬もありますので、服用中のお薬は必ずお伝えください。
抗真菌薬のなかには、小児への使用が承認されていないものがあります。年齢や体重に応じて、使える薬を選んで治療します。
