
ほくろについて
ほくろは、医学的には色素性母斑(母斑細胞母斑)と呼ばれ、皮膚の一部にメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が集まってできたものです。ほとんどのほくろは良性で、健康に害を及ぼすことはありません。
ほくろは、生まれつきあるもの(先天性色素性母斑)と、成長の過程で学童期から思春期以降に出現してくるもの(後天性色素性母斑)があります。
良性のほくろが悪性化することはほぼありませんが、学童期以降に出現し、大きさが6ミリを超えて大きくなってくるものは極まれに悪性の可能性があるため注意が必要です。
先天性色素性母斑のなかで、乳児期に10~20センチを超えるような先天性巨大色素性母斑は、メラノーマが発生する可能性があるため注意を要します。
- ほくろの大きさが急に大きくなった
- ほくろの形がいびつになった
- ほくろの色が濃くなった、または色がまだらになった
- ほくろが痛いなどの症状がある
- ほくろから出血がある
当院では、すべてのほくろ、できものをダーモスコピーで確認し、悪性の疑いのあるものは、必ず病理検査で確定診断をつけるようにしています。
そのほかにも、大きくて視野に入るほくろや、引っかかってたびたび出血するなど日常生活に支障のあるほくろは切除手術が保険適応になる場合がありますので、一度ご相談ください。
ほくろの原因
ほくろができる原因は、主にメラニン色素を作る細胞「メラノサイト」の増加です。メラノサイトは、紫外線から肌を守るためにメラニン色素を生成しますが、このメラノサイトが何らかの原因で皮膚の一か所に集まり、増殖することでほくろが形成されます。
ほくろができる原因として、以下のようなものが考えられます。
紫外線
紫外線を浴びると、メラノサイトが活性化し、メラニン色素を生成します。過剰な紫外線はメラノサイトの異常な増殖を招き、ほくろの発生や悪性化のリスクを高める可能性があります。
遺伝
両親からメラノサイトの多い体質を受け継ぐと、ほくろができやすい傾向があります。
ホルモンバランス
思春期や妊娠など、ホルモンバランスが大きく変化する時期にほくろが増えることがあります。
ほくろの除去(日帰り手術)
ほくろの除去方法は、大きく分けて以下の2つがあります。
ほくろが保険適応になるかどうかは、診察の上判断します。当日手術をご希望の場合、ウェブ予約から手術の予約をお取りください。保険・自費ともに予約は手術予約でお受けしています。
切除縫合手術
ほくろを切除する方法です。局所麻酔を行い、メスで紡錘形に切開して縫い合わせます。切除手術の適応となるほくろは、
- ほくろが1㎝を超えるもの
- 悪性の可能性が完全に否定できないもの
- ほくろの深さが深いもの;青みがかったほくろは、真皮内母斑といい深いほくろです。
ほくろの大きさや深さによって、切除方法や縫合方法が異なります。
再発の可能性が低い方法ですが、レーザーと比較して、やや傷跡が長くなることがあります。
術後の手当
- 手術当日は、ガーゼを外さず保護したままにしてください。
- 翌日から、患部をシャワーで石鹸の泡を使ってきれいに洗っていただけます。
- 湯船に患部をつけるのは1週間お控えください。
- 1週間後に、当日順番予約でお越しいただき抜糸を行います。
- 部位に応じて、術後のテーピングを抜糸の際にご説明します。
- 術後の病理検査結果は、1か月後にご説明します。
炭酸ガスレーザー治療
レーザーでほくろの細胞を破壊する方法です。
手術と比べて、傷跡が目立ちにくく、小さく済むというメリットがあります。
ほくろの大きさや深さによっては、複数回の治療が必要となる場合があります。局所麻酔をしたあと、炭酸ガスレーザーで、ほくろの大きさ・深さに併せてほくろの組織を削っていきます。
拡大鏡などでほくろの組織を取り切ったことを確認して終了となります。
術後のお手当
- 術後の傷を保護するテープは、2種類ご用意しています。茶色の紙テープと、ほくろのサイズくらいの透明のシールです。それぞれでお手当方法が異なりますので、手術の際に詳しくご説明します。
- 当日からシャワー浴は可能です。
- 1週間後に受診していただき、傷の治りを確認します。
- 病理検査を行っている場合、1か月後に結果を聞きにご受診いただきます。
深い層にある「青色母斑」などは、レーザーで取り除くと深いクレーターになる可能性があることと、青色母斑の中にはまれに悪性のケースがあるため、必ずレーザーではなく、しっかり取り除く切除手術を行います。
どの方法が適しているかは、ほくろの大きさ、深さ、場所、患者様の希望などを考慮して決定します。
ほくろ除去後の注意点
ほくろ除去手術後、良好な経過をたどり、きれいに治すためには、いくつかの注意点を守ることが大切です。
清潔を保つ
傷口を清潔に保ち、感染を防ぐことが重要です。医師の指示に従って、消毒や軟膏の塗布を適切に行いましょう。
紫外線対策
紫外線を浴びると、傷跡が色素沈着を起こし、目立つようになることがあります。外出時は日焼け止めクリームを塗ったり、帽子や日傘を使用するなど、紫外線対策を徹底しましょう。
摩擦を避ける
傷口をこすったり、刺激を与えないように注意しましょう。衣服やアクセサリーなどが傷口に当たらないように気をつけましょう。
薬を正しく使用する
処方された薬は、医師の指示に従って正しく使用しましょう。自己判断で薬の使用を中止したり、量を変更したりすることは避けましょう。
当院のほくろ除去の特徴

当院では、患者様一人ひとりに最適なほくろ除去治療を提供することに重点を置いています。
1.丁寧なカウンセリングと診察
経験豊富な皮膚科専門医が、患者様のお悩みやご希望を丁寧に伺い、ほくろの状態を正確に診断します。その上で、治療方法やリスク、費用などについて詳しくご説明し、患者様に最適な治療をご提案いたします。
2.豊富な治療方法
手術、レーザー治療など、様々なほくろ除去方法に対応しています。ほくろの大きさ、場所、深さ、患者様のご希望などを考慮し、最適な治療法を選択します。
3.最新の医療機器
最新のレーザー機器を導入し、痛みやダウンタイムを抑えた、効果的な治療を提供しています。
4.安心・安全な治療
衛生管理を徹底し、感染症対策にも万全を期しています。また、治療に伴うリスクや副作用についても、事前にしっかりとご説明いたします。
5.アフターケアも充実
治療後の経過観察や、傷跡ケアについても丁寧にサポートいたします。ご不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
6.駅近で通いやすい
花小金井駅北口から徒歩1分と、アクセス抜群の立地です。
ほくろ除去症例写真

施術前

施術後
(術直後シール保護をした状態)
項目 | 内容 |
---|---|
症例 | ほくろ |
術式 | 炭酸ガスレーザー(CO₂レーザー) |
リスク | 出血、痛み、感染、再発、瘢痕 |
費用 | 自費 3㎜以下のほくろ 11,000円 (別途 初診料 2,200円) |
※ほくろは、形状や悪性の疑いの有無などで保険適応となる場合があります。
※保険適応の可否は診察による医師の判断となります。
ほくろ除去の費用(自費診療)
ほくろ除去の費用は、大きさ、数、場所、治療方法などにより異なります。
費用については、診察時に詳しくご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
※保険適応の手術に関しては、患者様の保険の種類や公費負担の有無によって変わるため、診察時にご確認ください。
主な治療方法と費用目安
治療方法 | 大きさ | 費用目安 |
---|---|---|
CO2レーザー | 1~3㎜ | 11,000円 |
3.1~5㎜ | 16,500円 | |
5.1~10㎜ | 21,000円 | |
10.1~15㎜ | 33,000円 | |
15.1~20㎜ | 44,000円 | |
20.1㎜~ | 55,000円 |
※上記はあくまでも目安です。実際の費用は、診察時にご確認ください。
※別途初診料2,200円・再診料1,100円がかかります。
ほくろがかゆい場合

ほくろ自体は、通常かゆみを感じることはありません。しかし、ほくろが痒いと感じる場合は、以下の可能性が考えられます。
ほくろ周辺の皮膚炎
ほくろ周辺の皮膚が炎症を起こしている可能性があります。アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などが原因で、ほくろ周辺がかゆくなることがあります。
ほくろへの刺激
衣服やアクセサリーなどによる摩擦や、引っ掻きなどによって、ほくろが刺激され、かゆみを感じることがあります。
悪性化の兆候
まれに、ほくろが悪性化し、メラノーマなどの皮膚がんになっている場合があります。かゆみだけでなく、ほくろの大きさや形、色の変化などが見られる場合は、早めに皮膚科専門医の診察を受けるようにしましょう。
かゆみが続く場合や、ほくろに変化が見られる場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。