2025年8月05日
気になる「ニキビ跡」。治ったと思ったら残ってしまうニキビ跡に、どう対処すれば良いか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ニキビ跡は、種類によって適した治療法が異なり、放置しても改善しないケースも少なくありません。
この記事では、ニキビ跡の種類や治療法、セルフケアの方法まで詳しく解説します。

ニキビ跡の種類について
「ニキビ跡」といっても、いくつかの種類があり、それぞれに特徴と治療法が異なります。
主に以下の4タイプに分類されます。
赤みタイプ(炎症後紅斑)
ニキビが治った後も赤みが残ってしまう状態。肌表面には凹凸はありませんが、炎症による毛細血管の拡張が原因で、目立つことがあります。
色素沈着タイプ(炎症後色素沈着)
ニキビの炎症によってメラニンが生成され、茶色っぽいシミのような跡になります。紫外線対策が不十分だと悪化することもあります。
凹凸タイプ(瘢痕・クレーター)
真皮層までダメージが及んだ重度のニキビ跡で、皮膚が陥没したようになります。自然治癒は難しく、医療的な治療が必要です。
しこりタイプ(肥厚性瘢痕・ケロイド)
炎症が強く起こったニキビ跡で、特に「フェイスライン」「肩」「前胸部」「下腹部」このあたりはニキビ跡が硬く、しこりのようになることがあります。また場合によっては赤みが残ります。自然に治ること少なく、フェイスラインのニキビなどは髭剃りなどでしこり部分に傷をつけ、悪化することがあります。
ニキビ跡は自然に消える?放置しても治る?
ニキビ跡が自然に消えるかどうかは、跡の種類や肌質によって異なります。
赤み、色素沈着の場合
時間の経過とともに徐々に薄くなることがあります。特に若い世代や肌のターンオーバーが正常な方では、数ヶ月〜1年ほどで目立たなくなるケースもあります。ただし、紫外線や摩擦などの刺激を受けると悪化する可能性があります。
クレーターや凹み(瘢痕)、しこり
真皮層にまでダメージが及んでいるため、自然には改善しにくいのが現実です。放置してもほとんど変化が見られないことが多く、専門的な治療が必要になります。
「ニキビ跡は時間が経てば消える」というのは一部のケースに限られ、症状によっては早めの治療が効果的です。
自宅でできるニキビ跡対策・セルフケア
軽度のニキビ跡や色素沈着には、自宅でできるセルフケアも効果的です。
以下のような対策が基本となります。
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紫外線対策
日焼けは色素沈着や赤みを悪化させる原因になります。外出時は必ず日焼け止めを使用し、帽子や日傘なども活用しましょう。
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保湿ケア
乾燥は肌のバリア機能を低下させ、ニキビ跡の治癒を妨げます。セラミドやヒアルロン酸配合の化粧水・クリームでしっかり保湿しましょう。
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美白成分の使用
ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、ナイアシンアミドなどの成分は色素沈着を薄くする効果が期待できます。医薬部外品や市販のスキンケア製品にも配合されています。
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生活習慣の見直し
睡眠不足や栄養バランスの乱れは肌のターンオーバーに悪影響を与えます。規則正しい生活とバランスの良い食事を心がけましょう。
クリニックで行う専門的な治療方法
改善が難しいニキビ跡には、医療機関での専門的な治療が有効です。
花小金井駅前スキンクリニックでは、以下のような治療を症状に応じて行っています。肌の状態を丁寧に診察し、症状や希望に合わせたオーダーメイドの治療を提案いたします。
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赤みや色素沈着に対して効果的です。肌へのダメージが少なく、ダウンタイムも比較的短いのが特徴です。
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古い角質を取り除き、ターンオーバーを促進します。軽度の色素沈着や赤み、毛穴詰まりなどにも対応できます。
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極細かい針でお肌に細かく傷をつけます。つけられた傷に対して創傷治癒の機序が働き、コラーゲンやエラスチンなど皮膚に弾力をもたらす成分が作られることによって、凹みや毛穴の開きを改善します。
花小金井駅前スキンクリニックのダーマペンは、BENEVという成長因子、各種ビタミン、ヒアルロン酸などが多く含まれた薬剤を使用しています。こちらを塗布しながらダーマペンをあてることで、クレーターの改善を促します。 -
ニードルRFの治療機です。マイクロニードルというごく細い針を使用し、皮下で高周波(RF)により熱エネルギーを加えます。皮下で熱を加えることで、皮膚表面へのダメージが少なく、施術後の赤みや腫れなどのダウンタイムが少ないこともメリットの一つです。
マイクロニードルと高周波の熱作用により、創傷治癒の機序を促し、コラーゲンやエラスチンを増やし、凹みや毛穴の改善を促します。
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サブシジョン、サブシジョン+炭酸ガスレーザー
深いクレーターにお勧めの治療です。強い炎症の後、凹んでしまったにきび跡では、瘢痕の下で組織が硬く癒着、線維化しています。サブシジョンは針(ニードル、カニューレ)を使用して、癒着を剥がし、凹みを持ち上げる施術です。
局所麻酔をして痛みを取ってから、針で癒着を丁寧に剥がします。オプション治療として、ヒアルロン酸やジュベルックなどの製剤を皮下に注入することで、凹みが戻ることを防ぎ、サブシジョンの効果を高めることも可能です。サブシジョンを行い、また炭酸ガスレーザーで表面の皮膚をごくわずかに焼灼することで、皮膚の再生を促すことも有効です。
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ジュベルックは、PDLLA(ポリDL乳酸)製剤です。PDLLAは、皮膚に注入することで反応が起こり、コラーゲン生成を促します。それによって、ハリや弾力がでることで、ニキビあとや毛穴の開きを改善します。自身のコラーゲン量を増やし、皮膚の再生能力を活性化させて注入後は、1年半ほどかけて水と二酸化炭素に分解されるため、安全性の高い薬剤です。赤みに対する抗炎症作用もあり、ニキビあとの赤みや赤ら顔に対しても効果が期待できます。
花小金井駅前スキンクリニックでは、医師による細かい手打ちと、水光注射によりボトックスやヒアルロン酸と併せてお肌全体にくまなく打つことが可能です。
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ミラノリピールは、ヨーロッパCE承認の医療用ピーリング剤です。5種類の酸(トリクロロ酢酸、AHA、サリチル酸、PHA、クエン酸)が配合されており、ピーリング効果に加えて、コラーゲンの増加を促します。
酸の働きによるピーリング効果で古い角質を落としつつ、アミノ酸やビタミンによりⅢ型コラーゲンの増加を促します。
ニキビあとの色素沈着やくすみ、赤み、毛穴の開きを改善する効果があります。背中やお尻など、体の頑固なニキビあとにも効果的です。
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ケナコルト注射(一部保険診療)
ニキビあとがケロイドといわれる赤みを伴うしこりになっている場合は、保険適応でケナコルトというステロイドの局所注射やステロイドの貼付剤を処方することがあります。
適応になるかどうか、診察でご相談ください。
治療にかかる期間・治療のステップ
ニキビ跡の治療は、種類や肌の状態によって期間が異なりますが、基本的には数ヶ月〜半年以上を要することが多く、継続的なケアが重要です。
一般的な治療の流れ
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初診・カウンセリング
肌状態やニキビ跡の種類を医師が確認し、治療方針を決定します。
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治療開始
症状に応じて、レーザー・ピーリング・光治療などを組み合わせて施術します。
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定期的な通院
1〜4週間ごとに治療を継続。効果を見ながら治療内容を調整します。
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ホームケアの併用
医師の指導のもと、自宅でのスキンケアや内服薬などを取り入れます。
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経過観察・再評価
肌の改善具合を確認し、治療の継続や終了を判断します。
クレーター状のニキビ跡など重度の症状では、複数回の治療が必要です。焦らず計画的に取り組むことが改善の鍵です。
ニキビ跡が気になる方へ
ニキビ跡は、見た目の悩みだけでなく、自信や対人関係にも影響を及ぼすことがあります。「いつか消えるだろう」と放置してしまうと、治療が長期化したり、完全に元通りに戻すことが難しくなる場合もあります。
花小金井駅前スキンクリニックでは、患者様一人ひとりの肌質や症状に合わせたオーダーメイドの治療を行っています。初めて美容医療を受ける方でも安心してご相談いただけるよう、丁寧なカウンセリングとわかりやすいご説明を心がけています。 ニキビ跡にお悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度当院にご相談ください。早めの対応が、より美しい肌への近道になります。
ニキビ跡治療でよくある質問
治療の内容や個人の肌状態によりますが、早い方で1〜2回目から変化を実感されることもあります。クレータータイプのような深い跡では、複数回の治療が必要になります。
ニキビ跡の種類(赤み・色素沈着・クレーター)や肌質によって適した治療法は異なります。医師による診察とカウンセリングで、あなたに合った治療プランをご提案いたします。
レーザーやピーリングなどの施術では、軽いチクチク感や熱感を感じることがありますが、当院では麻酔や冷却を併用し、できる限り痛みを抑えた治療を行っています。
シルファームやダーマペンなど、針を使った治療では、施術前に塗布麻酔を行い、できるだけ痛みの少ない施術を行います。
サブシジョンは侵襲の高い治療ですので、局所麻酔を注射して、施術自体は無痛で行います。
1回の施術で効果を感じる方もいますが、多くは数回の治療を重ねることで改善していきます。症状や治療内容によって回数は異なります。
ニキビ跡の治療は基本的に美容目的とされるため、ケロイドなど一部を除いて保険適用外(自費診療)となります。