
陥入爪とは?
陥入爪(かんにゅうそう)とは、爪の端が周囲の皮膚に食い込んでしまうことで起こる、痛みや炎症を伴う症状です。多くの場合、足の親指に発生し、歩行時に強い痛みを感じたり、赤く腫れ上がったりすることがあります。ひどくなると、化膿したり、肉芽と呼ばれる組織が盛り上がったりすることもあります。
陥入爪は、適切なケアを行わないと悪化しやすく、日常生活に支障をきたす場合もあるため、早期の治療が大切です。
当院では、テーピング治療、綿花の挿入などの保存的治療に加えて、手術も行っております。
陥入爪の手術は、保険適用になります。
陥入爪の原因
陥入爪は、様々な要因が重なって起こると考えられています。
主な原因として下記のようなものがあります。
深爪
爪の角を切りすぎることで、皮膚に刺さりやすくなります。特に、爪の両端を深く切り込む「バイアスカット」は陥入爪のリスクを高めます。
サイズが合っていない靴
先の細い靴や、サイズが合っていない靴は、足の指を圧迫し、爪が皮膚に食い込む原因となります。
足の指の変形
外反母趾や内反小趾など、足の指の変形があると、爪が正常に伸びにくくなり、陥入爪が起こりやすくなります。
肥満体型
体重増加により足指への負担が大きくなり、陥入爪のリスクが高まります。
爪の厚み
爪が厚い方は、爪の端が硬くなり、皮膚に食い込みやすくなります。
陥入爪の治療・日帰り手術
陥入爪の治療法は、症状の軽重によって異なります。
軽度の場合は、爪の周囲の皮膚を清潔に保ち、テーピングやコットンパッキングなどで爪の食い込みを改善する方法が試みられます。
テーピング・コットンパッキング法

炎症が強い場合や、再発を繰り返す場合は、手術が必要となることがあります。
陥入爪の手術には、主に以下の2つの方法があります。
ガター法

食い込んでいる爪と皮膚の間に柔らかいチューブを挿入して縫い付けます。
爪が食い込むのを防ぐため、痛みがとれ、炎症を抑えます。爪の食い込んでいた部分が伸びてくるまで、1か月半ほどチューブを置いておくことが多いです。
フェノール法

陥入爪を繰り返しており、もともとの爪の幅が指に対して広い場合、ガター法や保存的治療では再発することが多いため、爪の幅を狭くする手術になります。爪の端を部分的に抜爪したのち、爪母という爪を作る組織を腐食させてその部分の爪が生えないように処理する方法です。
フェノール法は、何年か後に爪が曲がって生えるなどの報告もありますが、実際、痛みをとるためには行わなければいけないケースもあり、しっかりとご説明したうえで、必要な場合にのみ行います。
爪母温存楔状切除法(けつじょう切除法)
比較的軽度で、爪の幅が指に対して広すぎない方に行います。
指の幅に対して爪が広すぎると、フェノール法の方が再発しにくいため、フェノール法を用います。
ブロック麻酔を行い、皮膚に刺さっている爪甲側縁を必要最小限に切除します。肉芽があれば同時に切除し、止血を行います。
この方法では、爪母が温存されるため、術後に爪が曲がって生えてしまう副作用はありません。即効性があり痛みがすぐにおさまりますが、再発のリスクがあるため、爪の切り方や靴の選び方などを引き続き注意する必要があります。
当院の陥入爪矯正治療(自由診療)
使用する矯正器具は、巻き爪に特化した医療用の器具です。
巻いてしまった爪の裏側に、強力なワイヤーを挿入し、金属のクリップでしっかりと固定します。
裏側からワイヤーが真っすぐになる力を加えることで、爪を矯正します。
器具を装着したのち、透明のジェルで固定しますので、外れにくく、自宅での処置は特に必要ありません。サッカーなど、過度に爪に負担のかかるスポーツをされている方は、医師にご相談ください。矯正は、専門のスタッフが行います。
装着にかかる時間は、事前の爪の状態によって多少前後します。例えば、爪が分厚くなっている場合、装着のためにヤスリなどで処理してから装着を行います。
器具は1か月~1か月半つけた状態でお過ごしいただきます。爪が伸びてきたら再診していただき、矯正が完了していたら器具を外し、まだ矯正が必要と診断されましたら再度装着をします。
矯正の適応があるかどうかを診察で判断しますので、初回は診察でご相談ください

陥入爪手術後の注意点
陥入爪の手術後は、傷の治癒を促し、再発を予防するために、以下の注意点を守ることが重要です。
清潔を保つ
患部を清潔に保ち、感染を防ぐために、医師の指示に従って消毒やガーゼ交換をきちんと行いましょう。
安静にする
手術後は、激しい運動や長時間の歩行は避け、患部を安静に保ちましょう。特に、手術当日は入浴を控え、患部を濡らさないように注意してください。
患部を圧迫しない
きつい靴や靴下は避け、患部を圧迫しないようにしましょう。
爪の切り方に注意する
爪は、指の形に沿わせずに真っすぐに切る。白い部分が約1ミリ残る程度に整えるのが理想です。
当院の陥入爪手術の特徴

当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせた陥入爪手術を行っています。手術は、皮膚科専門医である医師が、丁寧に行いますのでご安心ください。
1.丁寧なカウンセリングと診察
経験豊富な皮膚科専門医が、患者様のお悩みやご希望を丁寧に伺い、陥入爪の状態を正確に診断します。その上で、治療方法やリスク、費用などについて詳しくご説明し、患者様に最適な治療をご提案いたします。
2. 痛みの軽減
麻酔方法や手術方法を工夫し、できる限り痛みの少ない手術を心がけています。
3.安心・安全な治療
衛生管理を徹底し、感染症対策にも万全を期しています。また、治療に伴うリスクについても、事前にしっかりとご説明いたします。
4.アフターケアも充実
治療後の経過観察や、傷跡ケアについても丁寧にサポートいたします。不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
5.駅近で通いやすい
花小金井駅北口から徒歩1分と、アクセス抜群の立地です。
陥入爪・巻き爪手術の費用
陥入爪手術の費用は、手術方法や使用する薬剤、麻酔の有無などによって異なります。当院では、陥入爪手術の費用は以下の通りです。
治療方法 | 費用目安 |
---|---|
ガター法 / フェノール法 |
4,200円(自己負担3割の方) ※上記に初診料、再診料、処方箋料等がかかります |
ワイヤー矯正(自由診療) | 初回装着費 一趾 8,800円 |
調整費 一趾 2,200円 |
※陥入爪・巻き爪の手術は、保険適用になります
陥入爪を自分で治す方法はある?
軽度の陥入爪であれば、セルフケアで症状を和らげることができる場合があります。
しかし、自己流の処置で悪化させてしまうケースも多いので、注意が必要です。
- フットバス
ぬるま湯に足を浸して、爪や周囲の皮膚を柔らかくします。 - テーピング
爪の皮膚への食い込みを和らげるようにテーピングを行います。
テーピングの手順

やってはいけないこと
- 深爪
爪を短く切りすぎると、かえって陥入爪を悪化させる可能性があります。 - 爪を剥がす
無理に爪を剥がすと、炎症が悪化したり、出血したりする可能性があります。
自己判断でケアを行うと、症状を悪化させる可能性があります。少しでも気になる症状があれば、皮膚科の診察を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。
