シミ
シミには種類がいくつかあります。
- 老人性色素班
- 雀卵斑
- 肝斑
- ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
- 脂漏性角化症(老人性のイボ)
上記が代表的なシミになります。画像診断機や、ダーモスコピーという拡大鏡を用いて、診断を正確に行いながら治療を進めていきます。
1.老人性色素班
日光の影響によりできる一般的なシミです。お顔や手の甲など紫外線が良く当たる部位に多くでてきます。
【治療】
2.雀卵斑(そばかす)
小児期~思春期からみられる、境界のはっきりした細かい多数のシミです。紫外線によって増えるため、日常の紫外線ケアが必要になります。
【治療】
治療に対する反応性がとてもよく、フォトフェイシャルでもかなり改善することが多いです。ただ、体質的にそばかすができやすい方は再発もしやすいので、紫外線ケアをしっかりしていただきます。
3.肝斑
20代後半~40代の女性によくみられるシミです。まれに男性で肝斑も認めることもあります。お顔の頬を中心に、左右対称にぼんやりとしたくすみとして見られます。特徴として、まぶたの皮膚を避けて分布します。こめかみや額、口の周りにでることもあります。原因として、紫外線、女性ホルモンの影響、ピルの内服、摩擦が多いです。
【治療】
- 内服(シナール、ユベラ、トランサミン)
- エレクトロポレーション
- ルビートーニング
- HQ・ゼオスキンなどの塗り薬
肝斑は、完全になくなることは難しく、刺激しない治療で薄く淡くしていくものになります。日々の摩擦も肝斑を濃くする原因となりますので、洗顔やタオルで拭く際、スキンケア、メイクなどでお肌をこすることをやめてみるだけでも、肝斑が薄くなってくることがありますので、ぜひ気を付けてみてくださいね。
ピルを内服中の方、妊娠中授乳中の方、高脂血症の方はトランサミンに止血効果があるため、血栓症の予防のためトランサミンの内服はお止めしています。上記の方は、問診表に必ずご記入をお願いいたします。
4.後天性真皮メラノサイトーシス(ADM、遅発性両側性太田母斑)
早い方で10代後半から、平均的には20代から出現します。頬の高い位置に、左右対称性に現れることが多いです。典型的なものは、褐色調から、やや青~黒みがかった、境界の不明瞭なぼんやりとした色素班です。真皮という皮膚のやや深い層にメラニンをつくるメラノサイトが増加しています。こちらは、シミのある所が深いため、フォトフェイシャルや塗り薬では改善しません。
【治療】
- ルビーレーザー(保険適用となることがあります、ご相談ください)
5.脂漏性角化症
シミと思っていた茶色い班が、拡大鏡でみると盛り上がったり厚みがある場合があります。この場合、シミを取るルビーレーザではなく、炭酸ガスレーザーで薄く削るときれいにとれます。脂漏性角化症は、当院では、お顔やお首にあるものは自費治療のレーザーで行っています。液体窒素を何回か当てて取る取り方は保険治療になりますが、液体窒素がどうしても広めに当たってしまい、長く色素沈着を起こすことがあるため、お顔とお首の脂漏性角化症は、自費治療のみとさせていただきます。頭皮や体はレーザー、液体窒素どちらかご希望の方法で行いますので、ご相談ください。また、脂漏性角化症と診断がつきにくいできものは、保険治療で切除することもございます。
ニキビ・ニキビあと
ニキビあとは、大きく分けて三つのタイプがあります。ブログに詳細を書いていますので、ぜひご一読ください。
当院では、①ニキビあとの赤み、②ニキビあとの毛穴の開き、③クレーターのように陥没したニキビあと、④硬くしこりになったニキビあと、それぞれに対して豊富な経験をもとに治療をしていきます。
1.ニキビあとの赤み
【治療法】
赤みだけであれば、放っておいても皮膚のターンオーバーを経て、徐々に薄くなっていきます。しかし、炎症が強かった場合は、赤みが消えるまで1~2年かかることもあります。
当院では、フォトフェイシャル、ケミカルピーリング、エレクトロポレーションなどの施術を行っています。
フォトフェイシャル
当院のフォトフェイシャルは、キャンデラ社のNoldys(ノーリス)という機械を使用しています。ノーリスの特徴として、赤みに対する反応が非常に良いことから、数あるフォトフェイシャルの機械の中からこちらを導入しました。ニキビあとの赤み、酒さの赤ら顔などによく反応し、薄くしていくことが可能です。
ケミカルピーリング
当院のケミカルピーリングは、ミックスピールという薬剤を用いています。ミックスピールはその名の通り、「乳酸」「グリコール酸」「サリチル酸」がミックスして配合されており、不要な角質を除去し、肌質を改善します。また、チロシナーゼを抑制することでくすみの改善効果、肌のきめを整えるなどの効果があります。
エレクトロポレーション
高速の電気振動をお肌に与えることで皮膚の表面に一時的に電子的な隙間を形成し、この隙間を利用して美容成分を高い濃度で導入していきます。通常お肌に塗るだけでは浸透しない、分子量の大きな有効成分をお肌の深くまで浸透させることができます。
2.ニキビあとの毛穴の開き、
軽度の凹み
【治療法】
ダーマペン
ニキビあとの開いた毛穴や、凹みに対して、当院ではダーマペンによる治療を行っています。ニキビあとの開いた毛穴の部分にごく細い針で無数に細かい傷を作ります。同時に、薬剤で成長因子などを塗布していくことで、傷を治す修復過程が働き、コラーゲンが作られ、毛穴の引き締めや、凹みの改善を行っていきます。
3.ニキビあとの大きな凹み
【治療法】
サブシジョン、サブシジョン+炭酸ガスレーザー
大きくへこんだニキビあとは、非常に治療が難しいです。当院では、深いへこみに対しても積極的に治療を行っています。サブシジョンという治療法は、凹んだ傷跡の底を引っ張っている硬くなった線維化の部分を、針を使って引きはがし、傷を盛り上げる方法です。麻酔の注射を使いますので、施術中の痛みはありません。深さの程度に応じて、期間をあけて数回繰り返し行うこともあります。さらに、凹みの輪郭がはっきりしていると影になり、より目立ちますので、必要に応じて炭酸ガスレーザーできずあとの輪郭を削り、さらに平らになるように治療をします。
4.硬くしこりになった
ニキビあと
特に、フェイスライン~首にかけて、また、胸や肩のニキビはしこりを作りやすいです。ケロイドまたは肥厚性瘢痕といいます。
【治療法(保険適用)】
ケロイドや肥厚性瘢痕は、かゆみや痛み、ツッパリ感などがあり、日常生活に支障をきたすため、保険適用で治療を行います。傷跡が大きくなってきている、または増えているなどの活動性が高い時期は、リザベンや、柴苓湯などの内服を行います。
また、ドレニゾンテープやエクラープラスターなどのステロイドを含んだ貼り薬も必要に応じて処方します。程度に応じて、月に一回ステロイドの注射を行います。ステロイドの作用として、組織を柔らかくする効果があり、しこりを柔らかく、小さくさせていきます。ぜひしこりになってしまったニキビあとも、あきらめずにご相談ください。
AGA(男性型脱毛症)・FAGA(女性の男性型脱毛症)
AGAについては、ブログに詳しく解説しております。ぜひご参照ください。
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンの影響や遺伝により発症し、おでこやつむじの部分から始まる脱毛の症状です。早い人で20代から気になってくる方もおられます。
FAGA(女性の男性型脱毛症)は、40代以降で気になる方が増えてくる脱毛です。AGAとは異なり、髪の毛全体が細く、本数が減り、地肌が見えるようになってきます。女性の場合、栄養素の不足や自己免疫の病気などが背景にあることが男性に比べて多いので、しっかりと診断をつけてから治療に進みます。
治療法
男性の飲み薬
(AGAの内服治療)
フィナステリド(プロペシア)・デュタステリド(ザガーロ)
どちらの飲み薬も、男性ホルモンの、脱毛に作用する働きをブロックします。1日1回の内服をしていただきますが、毛を生やす薬ではなく、毛を抜けにくくし、ボリュームを回復していく作用ですので、効果がすぐに出るわけではなく、継続して内服することで効果がでてきます。少なくとも半年以上の継続をお勧めします。
プロペシアに比べて、ザガーロの方が脱毛を抑える効果が高いのですが、下記に述べる副作用の頻度が若干あがるため、ご理解の上内服していただきます。
副作用は、肝機能の悪化、性欲減退などがまれに起こりますが、頻度は低いため、1年に1~2回程度当院での肝機能の検査または、職場の健康診断で異常がでなければ継続して内服していただけます。ただ、これらの薬を内服していると、PSAという前立腺がんの腫瘍マーカーの数値を低くしてしまうことがあるため、健康診断でPSAの測定を行う場合は医師にお伝えいただく必要があります。
女性の飲み薬
(FAGAの飲み薬)
パントガール
髪の成長に必要なビタミンやミネラルなどを補う飲み薬になります。
副作用は、ほぼないので安心して継続して内服していただけます。
塗り薬
ミノキシジルローション・ロゲイン
ミノキシジルの塗り薬は、毛穴の周囲の血流を改善させ、また成長因子の産生を促進する作用があります。AGA治療ガイドラインでも、推奨されている安全な治療になります。飲み薬のミノキシジルは、副作用もあるため当院では処方しておりません。
塗り薬の副作用は、かぶれ(接触皮膚炎)、毛嚢炎(頭皮のニキビ)などがまれにあります。
巻き爪の矯正治療
巻き爪の矯正治療は自費治療になります。
痛みが強い、肉芽ができているなどの場合は、保険適用で手術またはテーピング治療を行います。
炎症が起きていない巻き爪を、平らに矯正していく治療を行っています。
治療法
巻き爪リフト
巻き爪の矯正に使う医療器具の名称です。
巻いてしまった爪の裏側に、強力なワイヤーを挿入し、金属のクリップでしっかりと固定します。
裏側からワイヤーが真っすぐになる力を加えることで、爪を矯正します。
メーカー提供 装着イメージ
器具を装着したのち、透明のジェルで固定しますので、外れにくく、自宅での処置は特に必要ありません。サッカーなど、過度に爪に負担のかかるスポーツをされている方は、医師にご相談ください。
矯正は、専門のスタッフが行います。
装着にかかる時間は、事前の爪の状態によって多少前後します。例えば、爪が分厚くなっている場合、装着のためにヤスリなどで処理してから装着を行います。
器具は1か月~1か月半つけた状態でお過ごしいただきます。爪が伸びてきたら再診していただき、矯正が完了していたら器具を外し、まだ矯正が必要と診断されましたら再度装着をします。
矯正の適応があるかどうかを診察で判断しますので、初回は診察でご相談ください。
料金 |
装着 8,800円 調整 2,200円 |
時間 |
20~30分 |
日常生活 |
入浴の制限なし |