皮膚科で男性女性ともに薄毛治療のご相談を!
- 2022年2月23日
- AGA
薄毛の相談はどこですればよいの?
薄毛治療は、非常にデリケートなお悩みです。
現在、薄毛治療の相談の選択肢としては、
①自費治療も行っている皮膚科
②AGA専門クリニック
③クリニックではないAGAサロン
④植毛クリニック
…そのほかにも多数あるかと思います。
AGAとは、男性型脱毛症(androgenetic alopecia)のことです。
女性の男性型脱毛症は、女性(Female)をつけてFAGA、またはFPHL(Female Pattern Hair Loss)と呼ばれます。
当院は、日本皮膚科学会が作成した、AGA治療ガイドラインで推奨されている治療を中心に行っています。安全性、効果の実証された治療を、診察の上で行っていきます。
皮膚科診療も行っており、AGAのみを扱っているわけではないので、逆に受診や相談がしやすい場になっていただければと思います。
男性型脱毛(AGA)の特徴
男性型脱毛(AGA)とは、毛周期の中で、成長期が短くなり、休止期が長い毛包が多くなることから起こってきます。
具体的には、生え際や頭頂部の髪が柔らかく、細く短くなり、最終的にはその部位の発毛がみられなくなる状態です。20歳代後半から30歳代にかけて気になる方が増えますが、まれに思春期の男の子でも気にされる方がご相談されることもあります。
日本人男性の発症率は30%と言われています。
下の図は、AGAの進行を現した図です。進行しても後頭部は保たれることが特徴的です。
男性型脱毛の原因
一般的に、男性ホルモンは骨や筋肉の発達を促し,ヒゲや胸毛などの毛を濃くする働きがあります。
しかし,生え際や頭頂部などの男性ホルモンに感受性の高い毛包に対して男性ホルモンが作用すると、毛を作る毛母細胞のはたらきが抑制され、毛周期の成長期を短く、休止期を長くします。
そのため、毛は十分に成長せずに細く短い毛になっていきます。
これが男性型脱毛のしくみです。
女性型脱毛の原因
女性にも男性ホルモンが存在しますので、男性ホルモンが薄毛の原因となっていることがあります。
ですが、女性の場合、男性のようにおでこと頭頂部のように典型的な部位から症状がでないことも多く、必ずしも男性ホルモンの影響のみとはいえません。
女性の場合、年齢に伴うびまん性脱毛症(全体に頭髪が薄く、髪が細くなる)や、貧血やダイエットによる亜鉛や必要な栄養素の不足、甲状腺機能低下症、女性ホルモンの異常、出産後・授乳中の脱毛、膠原病などの割合が男性よりも高くなります。
女性の薄毛でご相談された場合、ほかにご病気が隠れていないか、あらかじめ血の検査をして調べておくことも必要となります。
コロナ後の脱毛
昨今のコロナ禍で増えているのが、コロナ罹患後の脱毛相談です。
コロナに感染してしばらくしてから、「抜け毛が増えている」「髪がうすくなった」と、
クリニックを受診される患者様は増えています。
まだ長期的なデータはないのが現状ですが、
遅発性の合併症として、コロナ罹患患者様の全体の20%程度に遅発性の脱毛症を認め、発症から脱毛出現までの平均期間は2か月、脱毛の平均持続期間は約2.5か月であったとの発表がありました。
また、コロナ後遺症としての脱毛は、女性が男性の3倍多いといわれています。
原因として、コロナ感染症という、身体的にも精神的にも強いストレスを受けることによって、休止期脱毛症を発症している可能性があると考えられています。
発熱のある感染症・大きな外傷・出血・手術・急速なダイエット・出産後の脱毛などが休止期脱毛です。
基本的には、コロナ感染という大きなきっかけがありますので、その原因がなくなったあとはゆっくりと回復していくと考えてよいでしょう。
ご不安な方は、ぜひご相談ください。
当院の薄毛治療
※AGAの治療はすべて自費の治療となります
①内服治療
・プロペシア、ザガーロの内服
男性ホルモンの働きを抑え、ヘアサイクルを正常にする内服になります。
皮膚科学会によるガイドライン上でも、どちらの内服も男性では推奨度「A」と強く推奨されています。
ザガーロの方が、男性ホルモンを抑える機序が1段階多く、効果が高いといわれています。
女性はどちらのお薬も基本的には内服できません。
また、副作用もありますので、まずは診察でしっかりとご説明したうえで内服していただきます。
※ミノキシジルの内服はご処方していません
ミノキシジルは、もともと降圧剤として開発されたお薬で、全身の多毛をきたすという副反応を利用して、AGA治療として行われています。
ですが、胸痛、動悸、息切れなどの軽度なものから、うっ血性心不全や呼吸困難などの心血管系障害が生じることが添付文書上記載があり、またガイドライン上も推奨されていないことから、当院ではご処方はしておりません。
・パントガールの内服
ドイツの製薬会社により開発され、世界で初めて女性の薄毛に効果が認められた薄毛治療薬です。
パントガールには、主にパントテン酸カルシウムやケラチン、シスチンといった栄養素を含み、頭皮に栄養を行き渡らせて頭皮環境を整え、薄毛を改善していく効果があります。
女性の薄毛に多く見られる「びまん性脱毛症」に有効であるとされています。
・ミノキシジル外用薬
ミノキシジルの外用は、内服とは打って変わって、効果と安全性が立証されており、ガイドラン上も強く推奨される「A」となっています。
副作用は、外用した部位のかゆみ、かぶれ、毛包炎などです。
・HARG療法
AAPEパウダーを溶解したものを頭皮に直接医師が注射していく治療です。
AAPEパウダーとは、健康な頭皮から採取、分離した脂肪幹細胞を培養し、その脂肪幹細胞が分泌したタンパク質を分離し、それをろ過し、滅菌、精製したものを粉末化したものです。
130種類以上の成長因子などが含まれています。
毛髪に対する効果として、
・毛包周囲の血管新生、それに伴う血流の増加
・毛包の成長期の延長
・毛包周囲の皮膚、脂肪組織の活性化
・酸化ストレスや男性ホルモンの攻撃から毛包を守る
これらの効果が認められ、内服外用と併用して行うことにより、より早く効果をだすことができます。
頭に注射、というと痛みの不安があるかと思います。
伝達麻酔という広く痛みを抑える麻酔の併用や、クーリングなど痛みに配慮しながら行っていきます。
薄毛の治療っていつまでするの?
薄毛の治療とは、始めたら一生続けなければいけないの?
やめたら急激に進んでしまうのでは?
という疑問は非常にもっともな疑問です。
まず治療の開始ですが、診察・問診などで、薄毛の原因がAGAなのか、円形脱毛症なのか、そのほか内科的なご病気が隠れていないかなどを診断したのち、症状にあわせて、
内服、外用、HARG療法のなかで、患者様のご希望に合わせて治療を始めます。
円形脱毛症であった場合、当院にてしっかりと保険治療を行います。
内科的疾患が隠れていた場合、内科受診をお勧めする形となります。
まずは塗り薬から
早く効果をだしたいので、最初からしっかり治療したい
など、ご希望を伺って治療を選んでいきます。
効果がでたあとは、治療中止してすぐに治療効果がなくなるわけではありませんが、
ゆっくりと薄毛が進行し始めます。
個人的な考えですが、内服と外用は、薄毛を治したい、良くなりたいと感じている間は、継続していただくことをおすすめします。その過程で、進行が気になるときに、HARGなどで一気に回復させる、というスタイルで、継続していくことがおすすめです。
年に1回の定期健康診断や、採血で異常がないことを確認しながら継続していただくことで、薄毛の進行を遅らせることは可能です。
薄毛治療に明確なゴールはなく、無理のないペースで継続していく必要があります。当院では、無理な勧誘は一切行っておりません。安心してご相談くださいね。
薄毛治療は男女、年齢を問わず起こるお悩みです。
ぜひ、お気軽にお声をおかけくださいね。
花小金井駅前スキンクリニック(HSC)
院長 新井雅子